冒頭 「これは実話の映画化である」と字幕スーパーが表示される。
嘘です (笑)
舞台は1987年のミネソタ州ミネアポリスです。
およそ30年前の設定
自動車販売系営業担当のジェリー・ランディガードは多額の借金を抱えていました。
何の借金かは不明です
或る時、自分の借金を返すために、あろうことか自分の妻のジーン・ランディガードを狂言誘拐させることを思いつきます。
ありがちなストーリー
身代金はジーン・ランディガードの父親、つまり義理の父からせしめようとする腹です。
これもありがちな設定
わざわざ、ファーゴまで足を運び、整備工場のメカニックから紹介されたのが、カール・ショウォスターとゲア・グリムスラッドのチンピラ二人組です。
ファーゴはノースダコタ州 絵に描いたような悪人顔の二人 カールは、いかにも小悪党な感じで、相方のゲアは大男で無口で凶暴
ついに、この二人は誘拐を行います。
器物損壊を含む荒っぽい誘拐
しかし、誘拐を行った二人組は、彼らの行動を不審に思ったパトロール中の警察官、さらに彼らの諸行を見ていた目撃者を殺してしまいます。
悪人顔ですから 職質受けやすいタイプ
翌朝、妊娠中の女性署長のマージ・ガンダーソンが殺人事件の捜査に取り掛かります。
妊娠8か月くらいの大きなお腹です
彼女は地道な聞き取り捜査で犯人の足取りを追います。
そして、マージ・ガンダーソンは殺害された警察官が所有していたメモを手掛かりに、車の情報を得て、当該車種のディーラーであるジェリー・ランディガードのもとにたどり着きます。
ディーラーの車であることを示すナンバープレートがメモに記されていた
最近、店から盗まれた車は無いか、と問いかけるマージ・ガンダーソンに対して、なんとかその場を取り繕うジェリー・ランディガードだが、逆にマージ・ガンダーソンに不信感を抱かせる結果となってしまいます。
愛想はいいが、挙動不審なジェリー
誘拐がいつの間にか殺人事件に発展していることをジェリー・ランディガードは義理の父につげます。
「早く身代金を渡さないと妻が殺される」と受渡しを急ぐよう促します
義理の父のウェイド・グスタフソンは自ら身代金を持って犯人と交渉しようとします。
なかなか勇ましい親父さんです
待ち合わせに現れたウェイドを見て、カール・ショウォルターは逆上して、ウェイド・グスタソフンを射殺してしまいます。
あっけなく殺されます 勇ましいだけじゃダメですよ
カール・ショウォルターは、身代金の入ったブリーフケースを奪って逃走します。
100万ドルです!!
遅れて現れたたジェリー・ランディガードは残っているウェイド・グスタフソンの死体をトランクに詰めて、現場から逃走します。
死体をどうしたかは不明
多額の金銭を奪ったカール・ショウォルターは8万ドルだけを手元の置き、残りの大金をブリーフケースに入れて、積雪の高原に埋めました。
この埋めた92万ドルは、最後まで回収されません! 
カール・ショウォルターがアジトに戻ると人質のジーン・ランディガードが死んでいました。
騒ぎ立てたのでゲアに殺されたのです
しかし、取り敢えず身代金を山分けしようとするカール・ショウォルターとゲア・グリムスラッドでしたが、誘拐に作った車をどちらが所有するかで口論となり、ゲア・グリムスラッドがカール・ショウォスターを斧で殺してしまいます。
ゲアは、無口ですから、口論では勝てない 最終的に腕力で
マージ・ガンダーソンはもう一度ジェリー・ランディガードに会いに行くことにしました。
マージは在庫をチェックしたいと申し出る
彼女の尋問に耐え切れずにパニックになったジェリー・ランディガードは車に乗って逃走します。
在庫チェックされると1台(犯行に使った車)足りないことがバレるので逃走
マージ・ガンダーソンは部下たちにジェリー・ランディガードとウェイド・グスタフソンの捜索を指示します。
マージは女性ですが有能な警官なのです
その結果、誘拐犯たちのアジトを見つけることができます。
そこでマージ・ガンダーソンはゲア・グリムスラッドが、カール・ショウォスターの死体を粉砕しているところを目撃します。ゲアは走って逃走しますが、足を撃って逮捕します。
死体を粉砕機にかけていた 辺り一面血の海 恐ろしい!
マージ・ガンダーソンはゲア・グリムスラッドに殺した理由を問いかけますが、ゲア・グリムスラッドのは答える事をしませんでした。
無口ですから
その後、逃亡中のジェリー・ランディガードも逮捕されて、連行された。
モーテルに隠れていたところを逮捕 これにて一件落着!!
自宅の寝室でテレビを見るマージ・ガンダーソンに、夫のノーム・ガンダーソンは自分の絵が3セント切手の絵柄に採用されたと告げる。
「誰が3セントの切手を使うんだよ?」とガッカリする夫に対してマージは「郵便代が値上げされた時、不足分を補うのに必要よ」
テンポのいい面白い映画でした!!
(参考)
映画【トレジャーハンター・クミコ 】
2001年、ノースダコタ州で凍死体となって発見された日本人女性にまつわる都市伝説「タカコ・コニシ事件」を、菊地凛子主演で映画化。東京で暮らす29歳のOLクミコは、親しい友人も恋人もおらず孤独な毎日を過ごしていた。そんな彼女の唯一の楽しみは、コーエン兄弟の映画「ファーゴ」を見ること。冒頭の「本作は実話に基づく」というテロップを信じ込み、登場人物が大金を埋める場面を繰り返し見てはその場所を想像するのだった。ある日、会社のクレジットカードを預かったクミコは、そのカードを使って旅費を支払い、映画の舞台となった都市ファーゴへと向かう。
実話としては、この「ファーゴ」を観た東京暮らしの29歳OL小西タカコさんが、劇中カール・ショウォルターが埋めた92万ドルを探しに来て凍死してしまったという事件です。これをモデルにした映画が「トレジャーハンター・クミコ 」です。
2年ほど前にWOWOWで観ました。 ブラックジョークのつもりで「実話の映画化」と表示したのでしょうが、まさか本当に探しにくる人がいるとはコーエン兄弟も驚いたでしょう。 不思議な映画でした。