映画のあらすじとテキトーなコメント
1960年の香港。サッカースタジアムで売り子をしている堅実な女性スー・リーチェン(マギー・チャン)は、ある日客のひとりのヨディ(レスリー・チャン)なる遊び人の男に「夢で逢おう」と口説かれる。
「夢で逢おう」?何言ってんの?(笑)
1960年代は、こんなキザなセリフが通用した時代
スーは一度は申し出を断るが、しばらくして再びスーの前に現れたヨディは「君とは1分間の友達だ」と迫る。やがてスーはヨディの不思議な魅力に惹かれていき、1分から2分と二人の時間は長くなっていき、やがて二人は付き合い始める。
レスリー・チャンは遊び人役が似合う。退廃的で色気がある。
しかし、ヨディは結婚を望むようになったスーを避けるようになり、程なく二人は破局の時を迎えた。
遊び人のお決まりのコース
ヨディは実の母と生き別れ、今はナイトクラブを経営する養母(レベッカ・パン)と暮らしていた。
ヨディは養母を泣かせる男を容赦なく追い出し、男から取り戻した養母のイヤリングの片方を、偶然その場に居合わせていたダンサーのミミ(カリーナ・ラウ)に渡す。
「養母を泣かせる男」… 養母の愛人 = 悪党
ヨディは養母から男を追い出したことを責められると、実の母についての話を聞きたいと言うが、養母は何も語ることはなかった。やがてミミはヨディの魅力に惹かれ、一夜を共に。
とにかくモテル男ヨディ
ある雨の日、ヨディのアパートに、荷物を取りに来たというスーが現れる。今でもヨディに想いを寄せていたスーだったが、ミミと部屋で遭遇してしまい、傷心のままその場を立ち去る。
元カノのスーと今カノのミミが遭遇。それでもヨディは動揺しない。
ヨディが冷静に対応いている姿がカッコいい!
ヨディの親友サブ(ジャッキー・チュン)は密かにミミに想いを寄せていた。
ミミはサブのことは何とも思っていない。むしろ嫌っている。
一方、放心状態で夜の街を彷徨っていたスーは、巡回中の若い警官タイド(アンディ・ラウ)に保護され慰められる。タイドはスーに恋心を抱き始めるが、スーから電話がかかってくることはなく、程なくタイドは警官を辞めて船乗りに転職する。
スーは別れても好きな人、ヨディのことが忘れられない。
タイドの優しさに感謝しているが、それ以上の特別な感情はない。
ある日、ヨディは養母から恋人のアメリカ人と共に渡米すると告げられる。ここで実母についての情報を聞いたヨディは、実母の住むフィリピンに行く決意を固め、スーやミミには何も告げぬまま、サブに自分の車をあげると香港を離れるのだった。
「スーやミミには何も告げぬまま」って酷い男ですね。
ミミはヨディが居なくなったことを知り、香港中を探しましたが見つからない。そこにサブが現れ、ヨディの事情を話すとミミを慰める。悲しむミミのため、サブはヨディからもらった車を売り、その金をミミに渡す。
サブはお金で何とかなると思っているのかね。
一方、ヨディはようやく実母の家に辿り着くが、望まれて生まれた子ではなかったヨディは会うことすら許されなかった。
1カットだけ母親が映りましたが、綺麗な女性でした。
ヨディは荒れてフィリピンの街で酒に酔い、同地に来ていたタイドに助けられる。
ヨディは闇ルートで偽造パスポートを得てアメリカに渡ろうとするが、相手のギャングを刺してしまい、ヨディはタイドを巻き込んで列車に飛び乗った。
養母が行ったアメリカに渡ろうとしたのでしょう。
しかし、車内でヨディは追っ手の銃弾に倒れます。虫の息のヨディは、タイドに「俺は、死ぬまで飛び続ける鳥の話を信じていた。でも鳥は飛ぶ前にもう死んでいたんだ。俺が一番愛した女が誰なのかは分からない。彼女は元気かな?」と呟きながら静かに息を引き取った。
「死ぬまで飛び続ける鳥」=「死ぬまで子供を愛する母」=幻想
You Don't Know What Love Is ってことね。
その頃、ミミはフィリピンに降り立ち、スーはタイドに電話をかけていたが応答はなかった。そして九龍城の一角では、ギャンブラー(トニー・レオン)が身支度していた。
謎のラストシーン。
トニー・レオンが登場するのはこのシーンだけです。
異常に天井が低い部屋で身支度しているシーンです。
いい映画ですね。1960年代、フィルムノワールに影響受けた映像美。そして、音楽も良い。甘く切ないラテン音楽と、けだるく退廃的なセリフや映像の相性が最高です。ウォン・カーウァイ監督は、この種のラテン音楽がお気に入りですね。