映画のあらすじとキャスト
グレイテスト・ショーマン
2017年アメリカ映画。19世紀半ばのアメリカ。貧しい仕立て屋の息子として生まれたバーナム少年は裕福な家の娘チャリティと恋に落ちる。やがて結ばれ2人の娘とともに貧しいながらも幸せに満たされた生活を送っていた。バーナムは勤めていた会社が倒産すると、長年の夢だった”バーナムの博物館”を開館。ところが人気が出ず、バーナムは娘の言葉をヒントにユニークな人を募りサーカスを結成した。家族からも存在を隠されていたほどの様々な容姿を持つパフォーマーをまとめ、ショーを華やかに展開するバーナム。やがて社交界からも一目置かれる存在となるが、一方で成功に取り憑かれていき人生を踏み外していく。グレイテスト・ショーマンは、ショービジネスの原点を築いた伝説のプロモーター、P・T・バーナムの実話にインスピレーションを受けた物語。9曲のミュージカルナンバーが彼のサクセスストーリーを彩る。
監督:マイケル・グレイシー
出演:ヒュー・ジャックマン(P・T・バーナム)、ザック・エフロン(フィリップ・カーライル)、ミシェル・ウィリアムズ(チャリティ・バーナム)、レベッカ・ファーガソン(ジェニー・リンド)、ゼンデイヤ(アン・ウィーラー)、キアラ・セトル(レティ・ルッツ)、ほか
映画のネタバレとテキトーなコメント
19世紀半ば、アメリカ・コネティカット州のとある街。P.T.バーナムは貧しい仕立て屋の息子として生まれ、父の仕事を手伝うため、裕福な顧客の屋敷を訪問します。そこには、しつけ係からお茶の作法を教わっている娘チャリティがいました。
つまらなそうにしているチャリティにバーナムはおどけて見せ笑わせます。2人は恋に落ち、幼いながらも惹かれ合いましたが、身分の違いが彼らを引き裂きますが、手紙のやり取りは続けていました。その後、父を亡くしてからのバーナムは都会へ出て、盗みを繰り返してはその日暮らしの生活を送っていました。
成り上がり男の原点です。
青年になったバーナムは鉄道会社に就職しました。定職に就けたことで、改めてチャリティの元を訪れプロポーズしました。こうして結ばれ、数年後バーナム夫妻は可愛い2人の娘に恵まれ、慎ましいながらも笑いの絶えない幸せな日々を送っていました。
初恋が成就したということですね!!
ところがある日、バーナムの勤める会社が倒産し、社員全員が突然解雇されることとなりました。バーナムには夢がありました。会社から海に沈んだ船の登録証を持ち出すと、それを担保に銀行から融資を受けます。そしてニューヨーク・マンハッタンの一角で"バーナムのアメリカ博物館"を始めました。しかし蝋人形や動物の剥製を置いただけの博物館。全く人が入らず、バーナムは娘の言葉をヒントに「ユニークな人々(フリークス)」を探し始めます。こうして、低身長の"親指トム将軍"、ヒゲの生えた女性歌手レティ・ルッツ、空中ブランコが特技のアン・ウィーラーとW.D.のウィラー兄妹など、数多くの様々なパフォーマーが集結しました。
ダサい博物館なんです。これじゃリピーターはいないでしょう。
「フリークス」とは「奇形」のこと。結構キツイ言葉です。
人々は恐る恐る彼らの風体を見るものの、ショーが始まると次第に笑顔になり拍手喝采に包まれます。これを見た舞台評論家は「ペテン師による低俗で下品なショー」と酷評しましたが、バーナムは、この酷評が書かれた新聞を持参したらチケットは半額、さらには”ペテン師”と書かれたハットを身につけてサーカスと名付けられたショーに出るなど、酷評も宣伝に使っていくのです。こうしてバーナム率いるサーカスは一躍話題となり、劇場はあっという間に軌道にのりました。
「低俗で下品なショー」というのはバーナム自身が一番よくわかっているから、酷評も宣伝に使うことができたのでしょう。
妻のチャリティは今の生活に十分な幸せを感じていましたが、バーナムはそうではありません。ニューヨークの社交界へ進出し、自らの存在を知ってもらおうと考えていました。そこで自身も上流階級で、広く社交界に顔がきく舞台劇プロデューサー、フィリップ・カーライルを取り込みます。フィリップの取り分は利益の10%。バーナムに押し切られる形でしぶしぶ承諾しました。早速フィリップはコネを使って、パフォーマーたちと共に英国ヴィクトリア女王との謁見を果たします。そこでバーナムはスウェーデン出身の歌姫ジェニー・リンドを紹介されます。そして彼女の初のアメリカ公演を執り行うことを買って出ました。こうしてニューヨークで行われたジェニーのコンサートは大成功を収め、ついに社交界や批評家からもバーナムは一目置かれる存在へと駆け上がっていきます。
バーナムの「成り上がり感」が半端ない!!
しかし、成功とは反して、次第に妻チャリティとすれ違うようになり、またパフォーマーへの態度も冷たくなり少しずつ皆の心がバーナムから離れていきます。ジェニーとともに全米コンサートツアーにでたバーナムは、順調に実績と名声を築きあげるものの、ジェニーのバーナムに対する気持ちに応えることはできず、ツアー途中で家族の元へと一人帰ります。
一時的に、サーカスよりジェニーに夢中になったバーナムですが、最終的にジェニーとバーナムは不倫関係にならなかったわけですね。
しかし、家族と再会を喜ぶのもつかの間、パフォーマーと揉めたある客が劇場に火を放ちました。駆けつけたバーナムは、火の中にいるフィリップを助けるために燃え盛る劇場へ飛び込んでいきます。なんとかフィリップは救出したものの、バーナムは財産も劇場も失ってしまいました。追い討ちをかけるようにコンサート公演ツアー中には、ジェニーまでもが降板。それにより資金は尽き破産となります。バーナムの豪邸は差し押さえられ、ついに妻は娘たちを連れて実家へ帰ってしまいました。
ここで「挫折」がなければ物語にならない(笑)
商売が行き詰まり、最愛の妻と娘たちを失ったバーナムがバーで肩を落としていると、サーカスの仲間たちがやってきます。本当の家族からも存在を疎まれたユニークな自分たちに、居場所を与えてくれ、家族同然に付き合ってくれたと仲間から励まされ勇気をもらい、もう一度ゼロからやり直すことを決意します。
ここで泣かなきゃ、どこで泣くって場面ですが、
「ユニークな自分たち」でかたまることが正解かしら?
妻と再会したバーナムは、自分が傲慢だったことを認め、過ちを繰り返さないことを誓います。新たなスタートを切ろうとしたバーナムでしたが、今やサーカスだけでは多額の負債を返済することは難しい状況。バーナムはサーカス劇場再建のためいろいろな銀行へ融資を依頼するのですが、どこからも相手にされずすっかり意気消沈してしまいました。
それを救ったのはフィリップでした。彼はショーで得た取り分10%をずっと貯金しており、それを再建費用に当ててくれるというのです。バーナムは新たなアイディアを生み出しました。劇場代わりに野原にテントを張り、「地上最大のショー(グレイテストショー)」を行います。これにより再びパフォーマーと観客に笑顔をもたらしたのでした。
サーカスと云ったら「テント」というイメージですけどね
率直な感想
身も蓋もないですがミュージカルが好きじゃないので・・・(笑)
ひとりの男の成上り物語です。挫折から再興するという単純明快なサクセス・ストーリーです。バーナムは決して善人でありません。彼のサーカスを「色物」だと思っているのは誰よりも彼自身なのではないでしょうか。この映画の「歌と踊り」を絶賛する人が多いですが、アタシはフツーだと思いました。悲しいことに、人間を長くやっていると感動レベルが上がって、この程度の品質では満足しなくなるのです。そんなことより主演のヒュー・ジャックマンが石丸幹二にしか見えなくて困りました(笑)