ライブ No.101 ~ No.110

【ライブ No.101】

swingoza+@新宿ピットイン

 パーカッションの大儀見元さん率いるswingoza+を初めて聴いた。素晴らしかった。7月に新宿ピットインでやったときは聴けなかったのだ。
 swingoza(スインゴサ) は、大儀見元さん(vo,perc,g)、中島徹さん(p,cho)、中路英明さん(tb,perc,cho)、澤田浩史さん(b,cho)の4人で結成した世界最少のサルサ・バンドだ。swingoza+(スインゴサマス) では、フルートの福留敬さん(from 大阪・高槻)がゲストで出演している。ラテン・バンドにはトロンボーンとフルートの相性が抜群にいいからね。大儀見さんひとりでパーカッション4人分くらいやってしまうから5人編成でも圧倒的なグルーヴを生み出している。熱いラテン・サウンドが恋しい季節になってきた。本当に心地よいクラーベに酔いしれた一夜だった。絶対また行く!
 ちなみに、今夜は宇都宮でやっているはずだ。宇都宮と言えば渡辺貞夫さんの出身地で耳の肥えたジャズ・ファンが多い。きっと今夜も熱く燃え上がっていることだろう。Vamos Vamos swingoza+!!


swingoza+@新宿ピットイン
2ndセットの最後、巨匠エディ・パルミエリの 曲「Azucar」(砂糖)



(2019/12/13)
 

【ライブ No.102】

纐纈雅代トリオ@新宿ピットイン

 4年ぶりの纐纈スガ外山のトリオを聴いた。実質は「纐纈雅代トリオ」である。4年前、同じ新宿ピットインで「まさまさch'an法師」という怪しいバンド名で出演した。4年前と比べて3人の密着度は増している。4年前の纐纈さんは、ほぼ直立不動で、時に悶絶寸前の形相で、時に天真爛漫な少女のような笑顔を見せていた。今回は、身体を前後左右上下に揺さぶってアルトサックスを武器として戦う女戦士のようであった。天真爛漫な少女のような笑顔は変わらない。天然な人である。スガさんの光速のピアノ、絶妙な距離感でサポートする外山さんのドラム。
ジャズは人であり、ジャズは一期一会である。改めてそう感じた一夜だった。また、いつか会えたらいいな。

纐纈雅代トリオ@新宿ピットイン 2020年2月18日

2016年4月13日の三人
2020年2月18日の三人



(2020/2/24)
 

【ライブ No.103】

ジャズとビート・ミュージック@新宿ピットイン

 先日、新宿ピットインで行われた「Namboku Records presents Lofi improv.」というライブに行ってきた。ジャズとビート・ミュージックのコラボである。何となく面白そうな臭いがプンプンしていた。新宿ピットインは通常であれば20時開演だが、この日は19時開演である。18時に仕事を終えて、ダッシュで向かった。ギリギリセーフ!
 ここ1年の間に、アーロン・チューライという名前を度々目にするようになった。パプア・ニューギニア出身で東京芸大卒のピアニスト兼ビートメイカーらしい。共演した大友良英さんや多くのミュージシャンが絶賛していた。この日は、アーロン・チューライを確認することがメインだった。吉本章紘さんのMCで始まった。アーロンはアコーディオンを弾いた。派手な演奏ではない。むしろ地味だ。だが、アーロンが選択する音から心地良い緊張感が生まれていた。アコーディオンからピアノに代えた。その音を聴いて「こいつは只者じゃない!」とわかる。アーロンはこの日、実力の半分も出し切っていないだろう。アーロン・チューライ単独のライブに行ってみたい!
 他の出演者も少し触れておきたい。吉本章紘さんは名前は失念したが、あるビッグバンドの一員として出演したとき聴いたことがある。ピアノとドラムスのデュオ「めぐたろう」は、何でベースを入れないんだ、と思いながら聴いていた。トリオにした方がいいと思うぞ(笑) ビート・メイカーFKD、この人は凄い! ビート・ミュージックについては薀蓄を語れるほど精通していないが「よっ、名人!」と声を掛けたくなるほど立ち居振る舞いに魅せられた。FKDが生み出すビートは、爆音で何時間でも聴いていられるような気がする。アルトサックスの中島朱葉、これはヤバい! 日頃からリー・コニッツ、アート・ペッパー、ソニー・スティット、チャーリー・パーカーなどのビバップを聴いているオッサン達は泣いて喜ぶだろう。ひと言で言えば「オールド・ファッション」なのである。可愛くてエモい表情にもオッサンはやられてしまうだろう。平成・令和の時代に、このスタイルは古くて新しい驚きである。
 ジャズとビート・ミュージックのコラボとしては、まずまず面白かったと言いたいが、1曲ぐらいは、ジャズとビートが渾然一体となったカオスのような演奏があっても良かったと思う。ついでに、フリー・インプロヴィゼーションとビート・ミュージックのコラボも企画してほしい。


吉本章紘(ss) Aaron Chulai(acc) 千北祐輔(b)

めぐたろう (大谷 愛(p)中山健太郎(ds))

Aaron Chulai

吉本章紘(ss) 中島朱葉(as)

FKD

 

魚返明未(p)(石田衛の代役) 千北祐輔(b) 中山健太郎(ds)


JAM SESSION(吉本,中島,千北,中山,大谷,Chulai(p),魚返)



(2020/3/3)