映画 No.031 ~ No.040
【映画 No.031】
• 予告編では出てきませんが、この映画はヘンリさんの家族のドキュメンタリーです。
• ヘンリさんの奥さん。この奥さんがいたからヘンリさんが好き勝手なことが出来たんだろう。
• ヘンリさんの次女(しーちゃん)ですが、ジェーン・スーに似ていたな(笑)
• 普通の人の人生はA4ペラ1枚で済みますがヘンリさんの人生は100枚は必要でしょうね。
• ドラマパートのウエンツ瑛士と余貴美子は量才録用!キャストが良かった。
• 家系図を作ったヘンリさん。父親の愛人まで入れていた(笑)
• 火葬されたヘンリさんの骨は太かった。93歳の骨とは思えない。生命力の表れですね。
• オリジナルサウンドトラックCDを買いました。大西順子さんが4曲で参加しています。
• 作曲:大西順子 演奏:大西順子(p) 楠井五月(b) 石若駿(ds)
• CDのライナーノーツ(白尾一博P)から一部転用
大西順子さんの参加には、ちょっと不思議な経緯があった。 元から大西さんとは私も多少の面識が有り、前述したように当初から“音楽希望リスト”に名前が上がっていた。なので、いざ依頼しようと連絡を取ろうとしていた矢先、思いがけず当人から電話が掛かってきたのだ。しかもその内容というのが-自分もドキュメンタリー映画を撮りたいので色々と教えて欲しい、映画学校にも通ってみたいと考えている、中村監督にも会ってみたい-などと、私たちにとっては驚くべきものだった。 (中略) というわけで、慌てて中村監督との会合をセッティングしたところ、どういうわけか映画でも音楽でもなく、アンダーグラウンドな漫画の話で二人は盛り上がり、初対面とは思えぬほど意気投合。結果として快く音楽での参加を引き受けてもらった…という顛末。 |
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【映画 No.032】
先日、音楽ドキュメンタリー「ドス・オリエンタレス」を観に行ったのですが、ついでに、と言っては失礼ですが、その前に上映された「Most Beautiful Island」という作品を観ました。 それが意外にも、と再び失礼ですが、面白かったのです。
【監督】アナ・アセンシオ
【脚本】アナ・アセンシオ
【出演】アナ・アセンシオ、ナターシャ・ロマノヴァ、デビッド・リトル
【製作】2017年/米国/スリラー/80分
【上映】2017年10月9日(月) 16:00 新宿バルト9 シアター8
ルシアナは、過去の辛い出来事から逃れるためニューヨークで新しい生活を始めました。しかし、不法移民のルシアナが出来る仕事は限られていますので金欠に陥っています。病院の治療費が払えなかったり、料金不足で携帯電話が使えなかったり、苦しい生活が続いていました。そんな時、バイトで知り合ったロシア系移民のオルガから、破格の報酬を手にできる秘密のパーティーのコンパニオンのバイトに誘われます。うまい話には裏がある、と思ったルシアナでしたが、リスクを取ってバイトを引き受けました。指定された黒いドレスを着て、黒いハイヒールを履いてパーティー会場に行きました。会場には同じ黒いドレスと黒いハイヒールの女性が集められていました。パーティーの客は富裕層ばかりですが、普通の遊びに飽きて、倒錯した世界に喜びを求めるような連中です。ルシアナ達は彼らの「賭け」の対象にされているのです。そして、その「賭け」というのは・・・これは言えませんね・・・新宿バルト9のあと、横浜や梅田でも上映されるそうなので・・・最終的にルシアナは報酬を手にします。映画はここで終わりますが、ルシアナはこの後もこのバイトを続け、タフになっていくだろう、と妄想しました。80分の短い映画ですがハラハラドキドキのスリラーでした。
ちなみに、ゴキブリとか昆虫類が死ぬほど嫌いな方は、この映画は観ない方がいいでしょう(笑)
【映画 No.033】
先日、音楽ドキュメンタリー「ドス・オリエンタレス」を観てきました。
【監督】ソフィア・コルドバ、ソフィア・カサノバ
【出演】ウーゴ・ファトルーソ、ヤヒロトモヒロ(八尋知洋)
【製作】2014年/ウルグアイ・日本/ドキュメンタリー/70分
【上映】2017年10月9日(月) 18:30 新宿バルト9 シアター8
個人的にヤヒロさんは懐かしい人です。 山下洋輔さんや向井滋春さんなどとセッションしていた頃を思い出します。 近年は、ウーゴ・ファトルーソとデュオを組んで活躍していることは知っていました。 先日、新宿ピットインでの「ドス・オリエンタレス」のライブに行けませんでしたので、この映画は何としても観たいと思っていました。ウルグアイを代表するミュージシャン、ウーゴ・ファトルーソ。ヤヒロさんとの出会いはMPBのジャヴァンのグループのメンバーとして来日した時だそうです。
「ドス・オリエンタレス」(Dos Orientales)は、欧米からみた東洋人ヤヒロと、南米の中での東方人(ウルグアイの正式名称はウルグアイ東方共和国)であるウーゴ、二人の出会いを意味してしているそうです。このドキュメンタリー映画は、旅、旅、そしてまた旅、旅、旅のロード・ムービーです。カメラワークとドス・オリエンタレスの音楽がバッチリ合っていました。
映画終了後、ドス・オリエンタレスのミニライブと、来日したソフィア・カサノバさんらのトークがありました。ちなみに、会場に早坂紗知さんと永田利樹さんを目撃しました。ヤヒロさんとは昔、一緒にやっていた仲間ですね。
【映画 No.034】
上映館が少ないので、まだまだ続きそうな気配です。もう一回観ようかな(笑)
(あっさりしていないあらすじ)
幼い頃に両親を交通事故で亡くし、現在は耳の聞こえない里親ジョーと暮らしているベイビー(アンセル・エルゴート)です。事故の後遺症で耳鳴りが止まないベイビーでしたが、iPodで音楽を聴くことによって驚異の集中力を得て超人的なドライバーに変身します。その特技を買われて強盗団の逃がし屋ドライバー(ゲッタウェイ・ドライバー)をしていました。ある日、強盗団のボスのドク(ケヴィン・スペイシー)に呼び出され隠れ家に行くと、そこにはバッツ(ジェイミー・フォックス)率いる強盗団がおり、彼らと仕事をすることになりました。しかし、バッツはベイビーの小馬鹿にしたような態度(いつもサングラスしてイヤホンで音楽を聴いている排外的な態度)を嫌悪していました。また、この仕事から足を洗いたかったベイビーはドクの「これで最後だ」という言葉を信じ作戦に参加することにしました。危うい局面もありましたが現金輸送車からお金を奪い、何とか任務に成功するベイビーとバッツ達。ドクは約束を守り、ベイビーを解放します。
ベイビーは、食堂で働く新米のウェイトレス、デボラ(リリー・ジェームズ)に出会い一目惚れします。また、デボラもベイビーのことを気にかけていました。足を洗ったベイビーは彼女をデートに誘い、二人は恋仲になります。しかし、二人がデートしているところにドクが現れ「愛する人を失いたくなかったら、もう一度仕事しよう」と脅迫するのでした。
ドクは郵便局を襲う計画を立てており、ベイビーに偵察へ向かうよう命令します。偽装のためにドクの甥っ子と郵便局へ偵察に向かったベイビーは、そこで女性局員と楽しく会話します。強奪の準備としてドクは、武器をザ・ブッチャー(ポール・ウィリアムズ)から購入するよう指示します。ベイビー、バッツ、バディ(ジョン・ハム)、ダーリン(バディの愛人:エイザ・ゴンザレス)は武器商人達に会いましたが、銃の箱に「APD」(アトランタ警察)の文字を発見したバッツが罠だと思い皆殺しにしてしまいます。 隠れ家に戻る途中、バッツは偶然見かけたデボラが勤める食堂に車を停めるよう指示します。ベイビーは拒否しますが、無理やりそこに行かせるのでした。一触即発の険悪なムードが続き、ベイビーがデボラに好意を寄せていることをメンバーに悟られてしまうのでした。
隠れ家に戻ると、ドクはブッチャーを殺したバッツを罵倒し計画の中止を言い渡しました。バッツは、ドクに「ブッチャーたちは警官だった」と報告しますが、ドクはブッチャーが警官であることを知りつつ、金を払って取引していたのでした。バッツは「奴らが先に撃った」と嘘をつき、ドクに計画を実行するように仕向けました。
ベイビーは隠れ家に寝泊まりしていたメンバー達が寝静まったのを確認し、デボラの元へ向かって駆け落ちを試みますが、バッツとバディに見つかってしまい、捕らえられ気絶させられてしまいました。そして、ベイビーが趣味で作ったミックステープ(ドクやバッツの音声を素材として使用)や母親の歌声が収録されたカセットテープを没収されてしまうのでした。
気がつくとそこにはドクやチームのメンバーがいて、ベイビーが逃げると情報が漏れる危険性(没収したカセットテープを根拠として)があるため殺すと脅されます。命の危機を感じたベイビーは、ドライバーとして参加することを快諾しました。
計画実行の日。ベイビー、バッツ、バディ、ダーリンは手筈通りに郵便局に向かい襲撃します。ベイビーは一人で車内で待っていたのでしたが、そこに偵察の際に親しくなった女性局員とバッタリ会ってしまいます。ベイビーは表情だけで女性局員に帰るよう促しますが、そこに襲撃を終えたバッツ達が戻ってきました。これ以上バッツの言い成りになりたくないベイビーは覚悟を決め、鉄棒の突き出たトラックに向かって急発進させました。鉄棒がバッツの胸を突き刺しバッツは絶命しました。驚くバディとダーリンをよそ目に、追ってくる警察から逃走したベイビーは、なんとか自宅まで逃げ切ることに成功しました。一方、バディとダーリンは警察に抵抗し、ダーリンは射殺されてしまうのでした。
自宅についたベイビーは、里親のジョーを高齢者施設に預け、デボラと駆け落ちするために彼女を食堂へ迎えに行きますが、そこにはバディが待っていました。相方のダーリンが死んだのはベイビーのせいであると逆恨みし、彼が愛するデボラを殺しにきたのでした。Never, Never Gone Give Ya Up!! ベイビーはスキをついてバディから銃を奪い彼に向けて発泡します。そして、デボラと共にドクの元へと向かうのでした。ドクの隠れ家に着いたベイビーは、取り上げられた母親のカセットテープを返すよう迫ります。逃げることに精一杯のドクはベイビーを無視しますが、デボラもいることを知り、若い二人と若かった頃の自分を照らし合わせ、二人を助けることにしました。しかし、そこへドクの元手下の警察官が現れ、三人を襲撃します。ドクは撃たれてしまいます。そこに負傷しているバディが盗んだ警察車両で現れベイビーを執拗に追いかけ回します。一瞬の隙をついてベイビーはバディの脚を撃ち、バディは燃えた車の上に落下して絶命するのでした。
デボラは、ベイビーの母親が歌うテープを聞きながら、眠っているベイビーを乗せて運転していました。しかし、前方に拳銃を構えている大勢の警察官が待っていました。デボラは逃げようとしますが、ベイビーは投降することを選びました。
ベイビーは裁判にかけられ懲役25年が言い渡されます。しかし、彼の優しさと脅迫による犯行であることが認められ、5年以内に仮釈放の可能性を持つ温情判決でした。服役中、ベイビーはデボラに手紙を送ります。そこで、ベイビーの本名が「マイルズ」であると判明します。5年後、ベイビーは出所し出迎えたデボラと再会するのでした。めでたしめでたし。BE MOVED。
悪党なんだけれど、なぜか憎めない。愛しき悪役達。
【映画 No.035】
率直に前作サンボル1「DECEMBER SKY」より面白かったです。(上映は「Twilight AXIS 赤き残影」との2本立て)
事前に「BANDIT FLOWER」のOSTを聴いていたので、どの場面でどの楽曲が使われているか確認してきた感じです。
やはり一番印象に残ったシーンは、イオ・フレミングがドラムスでビアンカ・カーライルがキーボードでセッションする場面です。演奏は桑原あいさんのピアノと山田玲さんのドラムスによるデュオです。はっきり言ってこの場面は≪音楽の勝ち≫です! スピード感、グルーブ感、迫力 … 音楽が映像を圧倒しています!
残念なことにオーニソロジー(辻村君)の「骨砕けても」はもったいない使われ方をしてしまったなと感じました。 しかし、ラストで「色悪 (feat.The Yellow Tricycle)」が使われたのは正解!これはいい演出でしたね。一瞬で緊張が解き放たれたような至福感が訪れました。
地球連邦軍とジオン公国軍の戦いに割って入った第三勢力 仏教系カルト教団「南洋同盟」の僧侶と信者たちが集まっているシーンで流れるお経のような音楽はサンボル1でバロウズ艦長を演じた佐々木睦さんが実在する有名なお経を読み上げ、それを逆再生しているらしいです。しかし、ここの場面は、もう少し過激に薄気味悪く怪奇的で異様な力強い映像と音楽が欲しかったなと思いました。 何故なら、この映画を観た人なら誰もが察したことでしょう。次回作サンボル3があること。そしてサンボル3で「南洋同盟」が大きくフィーチャーされることを。
余談というか妄想ですが、「南洋同盟」のテーマ曲として声明(しょうみょう)はいかがでしょうか。お経に節をつけて謡う仏教音楽の一種です。 お経のところはラップの歌詞にしてね。 例えば↓こんな感じで。
【映画 No.036】
ラサーン・ローランド・カーク
The Case of the Three Sided Dream
過去・現在・未来そして夢
The Case of the Three Sided Dream
過去・現在・未来そして夢
破天荒で驚異的なジャズのマルチ・プレイヤー、ラサーン・ローランド・カークのドキュメンタリー映画です。 幼児期に医療ミスにより盲目となったカークは≪三管同時ノンブレス吹奏≫などの独創的なスタイルで、絶妙なインプロヴィゼーションを行ったミュージシャンです。 映画自体は≪ごく普通の音楽ドキュメンタリー映画≫≪期待したほど目新しい映像がなかった≫というのが正直な感想です。一番印象に残ったシーンはカークがアメリカの国民的テレビ番組だったエド・サリヴァン・ショーに出演した場面です。チャーリー・ミンガス(b)、ロイ・ヘインズ(b)、アーチー・シェップ(ts)などと出演していました。
映画上映後、カーク研究の第一人者・林建紀氏とDJ大塚広子さんのトークショーがあったようですが、特に関心もないし、音楽をアカデミックに捉えることが苦手なので聞かずに帰りました。「トークショー資料」はしっかりもらって帰りましたけどね(笑)
カークの音楽的衝動は≪夢からのインスピレーション≫だということですが、それを体現したような演奏がYoutubeに沢山アップされています。カークは≪夢からのインスピレーション≫を体現するために、すべての物を楽器として使用したのでしょう。それにしても≪三管同時ノンブレス吹奏≫って人間ワザじゃないね! 映画を観てひとつだけ気がついたことですが、長年、カークが三管をくわえ続けた結果、カークの口の形が「三管同時吹奏用」に変形していることです。おそろしい!!(笑)
ラサーン・ローランド・カーク おススメのアルバム
ブラックナス これぞブラック・ミュージックの傑作!! アトランティック時代の人気盤。マーヴィン・ゲイのヒット曲のカヴァーが黒い!! |
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ドミノ ワタシが初めて聴いたカークのアルバム。 発展途上のカークによる個性的なハードバップをやっています。 |
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溢れ出る涙 医療ミスにより失明したカークですが、涙が溢れ出るという後遺症が残ったそうです。それをタイトルにしたアルバム。カークはフルートの名手でもあります。 |
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天才ローランド・カークの復活 脳卒中で倒れ、厳しいリハビリにより「復活」を遂げた頃に発表されたアルバムです。しかし、録音は脳卒中で倒れる前に録音されたものです。名曲「ラヴィン・ユー」のフルートによる演奏が人気です。 |
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ヴォランティアード・スレイヴリー ジョン・コルトレーンの捧げたメドレー「A Tribute To John Coltrane」が素晴らしい。ニューポート・ジャズ・フェスティバルでのライブ音源とスタジオ録音。 |
【映画 No.037】
映画「永遠のジャンゴ」@新宿武蔵野館
マヌーシュ・ジャズ(ジプシー・スイング)のギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトの伝記映画「永遠のジャンゴ」を観てきました。評価は星3つが妥当なところかな…。しかし、ジャンゴ役のレダ・カテブは良かったです。実際のジャンゴ・ラインハルトのイメージではないのですが演技はすばらしいね。ご存知のとおりジャンゴは火災によって左手に障害があります。ギターの弦は人差し指と中指で押さえます。この演奏のあて振りが見事です。魂のこもった演技でした。 映画としてはラストシーンが弱い!! ナチスに追われてスイスに逃げ込むところまでは良かったのですが、…… ラストへのフリはあったのですが … フリが弱かったので、ラストまでそれがフリだと気付かなかったんですね。 ちなみに、あの悪名高きナチスもジャンゴ・ラインハルトが演奏するジプシー・スイングにノリノリで踊っておりました。やはり音楽が一番エライのです!! |
ジプシーの血を引く伝説的ジャズギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトの真実に迫る人間ドラマ。1943年、ドイツ軍占領下のフランス。ホールを連日満員にしていたジャンゴの人気に目をつけたナチスは、彼をプロパガンダに利用しようとドイツでの公演を画策する。出演は「孤独の暗殺者 スナイパー」のレダ・カテブ、「少年と自転車」のセシル・ドゥ・フランス。撮影は「美女と野獣(2014)」のクリストフ・ボーカルヌ。「大統領の料理人」「チャップリンからの贈り物」の脚本家エチエンヌ・コマールの監督デビュー作。 |
【映画 No.038】
映画「バンコクナイツ」@新宿K's cinema
ようやく映画「バンコクナイツ」を観てきました。3時間オーバーの映画ですが全然飽きることなく集中して観ることが出来ました。この映画は3時間は必要な映画なのです。バンコクやイサーン、ラオスで暮らす様々な境遇の人々の生活がゆったり流れる大河のように映し出されています。この映画のテンポが大好きです。このテンポなら5時間でも観ていられますよ(笑) バンコクの歓楽街、娼婦、違法薬物がフィーチャーされている映画ですがR15に指定されていません。過激な暴力シーンや性描写は出てきません。ちょいと訳が分からないところもありましたが勝手に解釈しています。例えば、主人公のオザワ(富田克也)は映画の後半で拳銃を買いました。何故、拳銃を買ったのでしょう? この拳銃は結局使われませんでしたからね……ワタシは、この拳銃はオザワの「覚悟」の象徴だと思います。愛するラックを守る覚悟、タイに永住する覚悟、改心する覚悟、そして、その覚悟に反してしまった場合はその拳銃で自分を殺す覚悟です。ちょいと深読み過ぎるかしら(笑) セックスの場面で、オザワがラックに平手打ちされるシーンがありましたが、何故、オザワは平手打ちされなければならなかったのでしょう。何の説明もありませんでした。この場面は、愛するオザワが「客のようなセックス」をしたからラックが怒って平手打ちしたのだと思います。意味わかんねぇ?(笑) ラストシーンで、ラックが赤ん坊を抱いていました。オザワは改心したのでしょう(笑) あと、音楽も良かったです。今までちゃんとタイ音楽を聴いたことがありませんでしたが、タイ歌謡、古典音楽、タイ式ロック、タイ式フォーク、タイ式ラップなど、ごった煮感満載で面白かったです。特に、アンカナーン・クンチャイの歌唱は素晴らしい!!! バンコクナイツのサントラ盤を買おうと思います。 ちなみに、映画が終わってエンドロールが流れますが、Special Thanksの一番目に「菊地成孔」の名前を発見しました。流石!高額出資者!!!(笑) |
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「サウダーヂ」の富田克也監督による、タイ人娼婦と日本人の逃避行を歴史を捉えながら追うロードムービー。バンコクの歓楽街で働き家族を支える娼婦のラック(スベンジャ・ポンコン)は、元恋人オザワ(富田克也)と5年ぶりに再会。二人は失われた楽園を探すようにラックの故郷やラオスに向かう。タイ東北部のイサーン地方の伝統音楽を交え、ベトナム戦争の傷跡やタイの抵抗の歴史、二人の道行き、さらに欲望渦巻く歓楽街の群像劇を重層的に描く。 |
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【映画 No.039】
『バンコクナイツ』と『イサーン・ラム・プルーン』
映画『バンコクナイツ』のサウンドトラックと、映画のエンディングに使用されている曲『イサーン・ラム・プルーン』が収録されたオリジナルアルバム、アンカナーン・クンチャイの『イサーン・ラム・プルーン』を入手しました。2枚ともとても気に入っています。 『バンコクナイツ』の音楽を聴いていると、この映画自体が音楽映画なんじゃないか!音楽を抜きにしては考えられないほど重要であることがわかります。 アンカナーン・クンチャイは『イサーン・ラム・プルーン』の他に『タマリンドの葉』という曲を歌っています。これがヤバい!! いわゆるシャーマニズムというか、祈祷師というか、悪霊をはらって病を治す儀式の歌のようです。 ≪語り≫から入って、これが自然な流れで≪ラム(歌)≫に変化していくのです。このグラデーションが何とも気持ちいいのです。素晴らしい歌唱ですよ!!! 『イサーン・ラム・プルーン』は1975年発売のアンカナーン・クンチャイのデビュー・アルバムです。 あと、劇中、詩人チット・プーミサックの詩『夜の臭気』の朗読があります。その詩が『バンコクナイツ』の重要な焦点のひとつであることがわかります。 |
映画『バンコクナイツ』OST(左) 『イサーン・ラム・プルーン』(右)
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映画『バンコクナイツ』OST 曲目
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イサーン・ラム・プルーン/アンカナーン・クンチャイ 曲目
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ちなみに、映画『バンコクナイツ』のメイキングドキュメンタリー映画『潜行一千里』が現在公開中です。今年中に観に行こうと思います。
【映画 No.040】
映画「映画 潜行一千里」@新宿K's cinema
映画「バンコクナイツ」のメイキング・ドキュメンタリー「映画 潜行一千里」を観てきました。この映画を観る人は、当然、事前に「バンコクナイツ」を観ているでしょうね。そして、この場面はあのシーンの撮影だとか、この場所はあのシーンで出てきたとか、答え合わせするような楽しみがあるでしょう。しかし、何かの間違いで?勘違いで?偶然に?思い付きで?いきなり「映画 潜行一千里」を観てしまった人もいるでしょう。 その人はこの映画は何なんだ?と思ったに違いありません。つまり、単品として「映画 潜行一千里」を観た場合、何と申しますか …… 例えば、ですが、親戚の家に行って、じいさんから孫の運動会のやたらに長い単調なビデオを見せられたときのような、苦痛に近い気持ちになるのではないでしょうか(笑) NHKの番組「ドキュメント72時間」。ほぼ毎週欠かさず観ている大好きな番組です。一定の場所で72時間、訪れる人々にインタビューする構成です。画面には撮影日時と経過時間が表示され、簡単なナレーションが付きます。ただそれだけの番組ですが面白いのです。つまり「映画 潜行一千里」に足して欲しかったものは撮影日時と経過時間(あるいは走行距離)と簡単なナレーションです。これならば「バンコクナイツ」のセット品ではなく単品としての「映画 潜行一千里」がより楽しめたでしょう!!! |
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