AnaDigi No.041 ~ No.050

【AnaDigi No.041】

LAST EXIT

Last Exitは、ソニー・シャーロック(elg)、ロナルド・シャノン・ジャクソン(ds,vo)、ペーター・ブロッツマン(sax) 、そして、ビル・ラズウェル(elb)からなるフリージャズのスーパーバンドだった。1986年から1990年代初頭にかけて活動していたが、ソニー・シャーロックの死(1994年)によって解散してしまった。
 本作『Last Exit』は彼らのデビューアルバムにして最高傑作だ。そのリミッターを振り切った凶暴性によってジャズ・ファンよりパンク・ロック・ファンに支持された。これは、パンク・ロックに対抗したジャズ側からの挑戦状だった。

LAST EXIT(A)

LAST EXIT(B)

(2019/1/11)
 

【AnaDigi No.042】

My Goal's Beyond - Mahavishnu John McLaughlin

ジョン・マクラフリン(1942年1月4日 - )a.k.a マハヴィシュヌ・ジョン・マクラフリンは、イングランド出身のジャズ・ギタリストである。
1969年に渡米し、帝王マイルス・デイヴィスの『In A Silent Way』、『Bitches Brew』、『On The Corner』、『Big Fun』、『A Tribute to Jack Johnson』などの数々の話題作・問題作に参加している。
本作『My Goal's Beyond』は1971年3月 ニューヨークで録音された。マクラフリンがインド音楽に傾倒した初期のアルバムである。マクラフリンが、当時ヒンドゥー教に改宗し、ヒンドゥー教の高名な指導者(グル)であるシュリ・チンモイ師の弟子となった事が大きく影響している。※ アルバム・ジャケットの右の顔写真の人物
このアルバムのメンバーは、ジョン・マクラフリン(g)、ビリー・コブハム(ds)、チャーリー・ヘイデン(b)、ジェリー・グッドマン(vl)、デイヴ・リーブマン(fl,ss)、アイアート・モレイラ(perc)、バダル・ロイ(tabla)、そして、マクラフリンの最初の妻イヴ・マクラフリン(Mahalakshmi)がタンプーラで参加している。

and other album

My Goal's Beyond
Mahavishnu John McLaughlin(A)
My Goal's Beyond
Mahavishnu John McLaughlin(B)
(2019/1/15)
 

【AnaDigi No.043】

SIX OF ONE - EVAN PARKER

エヴァン・パーカー(1944年4月5日 - )は、英国出身のサックス奏者である。欧州フリー・ジャズ(フリー・インプロヴィゼーション)において極めて重要な人物である。
本作『SIX OF ONE』は、1980年ロンドンの教会で録音されたソプラノ・サックスによるソロ・パフォーマンスである。パーカーが得意とする循環呼吸奏法と高速タンギング奏法を駆使して、ソプラノサックスの持つ「音の限界」を探求しているようだ。一瞬、これは多重録音か?と疑ってしまうが、一本のソプラノサックスから放たれたおびただしい数の音の一つ一つが粒立ち、鮮明さと、繊細さを保ち、教会のステンドグラスを通って差し込む光のように美しい。

and other album

SIX OF ONE(1)
EVAN PARKER
SIX OF ONE(2)
EVAN PARKER
(2019/1/16)
 

【AnaDigi No.044】

Alive in Amsterdam Paradiso - J. R. Monterose

J.R.モンテローズ(1927年1月19日 デトロイト - 1993年9月23日 ラスベガス)は、白人のジャズ・サックス奏者である。
モンテローズを有名にしたのはチャールス・ミンガスの『Pithecanthropus Erectus(直立猿人)』やケニー・ドーハムの『Jazz Prophets』『at the cafe bohemia』に参加していたからだ。しかし、一部に熱烈なファンがついたものの、ジャズ・シーン全体から見れば「知る人ぞ知る」という存在であった。モンテローズは、生涯にわたり米国や欧州の小さなジャズ・クラブを渡り歩いた≪さすらいのジャズマン≫だった。
 本作『Alive in Amsterdam, Paradiso』は1969年6月、オランダ、アムステルダムのジャズ・クラブ「パラディソ」でのライブ録音だ。録音状態は良好とは言えない。ハン・ベニンク※などの地元のミュージシャンとの共演である。 ※エリック・ドルフィーの『ラスト・デイト』に参加

and other album

Alive in Amsterdam Paradiso(A)
J. R. Monterose
Alive in Amsterdam Paradiso(B)
J. R. Monterose
(2019/1/17)
 

【AnaDigi No.045】

ALMOST LIKE ME - ODEAN POPE

オディアン・ポープ(1938年10月24日 -)は、米国サウスカロライナ州生まれのジャズテナーサックス奏者である。ジャズ・ドラマーのマックス・ローチのグループで研鑽を積んだ実力者である。
本作『ALMOST LIKE ME』(1985年録音)はポープのファースト・アルバムにして最高傑作だ。メンバーは、オディアン・ポープ(ts)、ジェラルド・ヴィーズリー(b)、コーネル・ロチェスター(ds)のピアノレス・トリオである。ポープのマッチョで骨太でソリッドなトーンとヴィーズリー、ロチェスターとの相性がいい。

ALMOST LIKE ME(A)
ODEAN POPE
ALMOST LIKE ME(B)
ODEAN POPE
(2019/1/20)
 

【AnaDigi No.046】

TOGETHER - OREGON / ELVIN JONES

オレゴンは、1970年にポール・ウィンター・コンソートから独立した白人4人グループである。ポール・マッキャンドレス(reed)、ラルフ・タウナー(g)、グレン・ムーア(b)、コリン・ウォルコット(tabla)の4人は、主楽器の他に様々な楽器を操り、エスニック的・オーガニック的・民族音楽的・室内管弦楽的な独特なサウンドを作り上げている。
本作『TOGETHER』は、な・な・なんと!黒人のスーパー・ベヴィー級ジャズドラマー、エルヴィン・ジョーンズとの異色の顔合わせである。独特なオレゴン・サウンドに、さらにニグロ・スピリチュアル的な要素が加わった唯一無二のサウンドに仕上がっている。

and other album(Elvin Jones)
and other album(Oregon)

TOGETHER(1)
OREGON / ELVIN JONES
TOGETHER(2)
OREGON / ELVIN JONES
(2019/1/21)
 

【AnaDigi No.047】

LOT74 - SOLO IMPROVISATIONS - DEREK BAILEY

デレク・ベイリー(1930年1月29日 - 2005年12月25日) はイギリス、サウス・ヨークシャー州出身のインプロヴィゼーション・ギタリストである。
エヴァン・パーカー等の多くのフリー・インプロヴァイザーと共演。また、ジョン・スティーヴンス率いる「スポンティニアス・ミュージック・アンサンブル」のレギュラー・メンバーだった。1970年、エヴァン・パーカーやトニー・オックスレイと共に「Incus」レーベルを立ち上げた。ベイリーはジム・オルーク、マーク・リボー、大友良英等に影響を与えた。また、前衛舞踏家・田中泯と何度も共演している。
本作『LOT74 - SOLO IMPROVISATIONS』は、1974年録音のギター・ソロ・アルバムである。ベイリーの代表作というだけでなくフリー・インプロヴィゼーション界の最高傑作のひとつだ。

and other album

LOT74 - SOLO IMPROVISATIONS(1)
DEREK BAILEY
LOT74 - SOLO IMPROVISATIONS(2)
DEREK BAILEY
(2019/1/22)
 

【AnaDigi No.048】

THE MAN WITH THE HORN - MILES DAVIS

1975年頃より引退状態になっていたジャズの帝王マイルス・デイヴィス(Miles Dewey Davis III, 1926年5月26日 - 1991年9月28日)の6年ぶりの復帰作『The Man With The Horn』。
内容的には賛否両論あるもののセールス的には大成功を収めた。長い沈黙期間中は、アルコールとドラッグと交通事故の後遺症でボロボロだったようだが、周囲の尽力により再びマイルスをステージに上げることができたのだ。
このアルバムがリリースされて間もなくしてマイルスは来日した。今は西新宿の都庁が建っているところが空き地で、そこに特設野外ステージを設営しコンサートを開催した。宿泊していたハイアットホテルの目の前である。
マイルスは交通事故の後遺症により足が痛むため一定の場所にジッと立っていられないのか、たえずゆっくりと歩きながら演奏していた。このアルバムを聴くと、その時のマイルスの姿が昨日のことのように思い出される。

and other album

THE MAN WITH THE HORN(1)
MILES DAVIS
THE MAN WITH THE HORN(2)
MILES DAVIS
(2019/1/23)
 

【AnaDigi No.049】

死は永遠の親友 - 近藤等則、PAUL LOVENS、PAUL LYTTON

『死は永遠の親友』は、ポール・ロヴンス(1949年6月6日-,独逸)とポール・リットン(1947年3月8日-,英国)という欧州を代表する二人の打楽器系フリー・インプロヴァイザーにトランぺッター近藤等則(1948年12月15日-,日本)が果敢に立ち向かったアルバムだ。
1982年の即興演奏行脚の中から、大阪と盛岡での演奏を収めたライブ盤だ。アルバム・ジャケット裏に盛岡の伝統芸能『法領田獅子踊り』と三人が並んで映っているが、演奏とは関係ない。

and other album(近藤等則)
and other album(Paul Lytton)

死は永遠の親友(A)
近藤等則、PAUL LOVENS、PAUL LYTTON
死は永遠の親友(B)
近藤等則、PAUL LOVENS、PAUL LYTTON
(2019/1/25)
 

【AnaDigi No.050】

PROTOCOL - HENRY KAISER, 近藤等則, ANDREA CENTAZZO

本作『Protocol』(1978年録音)は、ヘンリー・カイザー(g)、近藤等則(tp)、アンドレア・センタッツォ(ds,perc)の三人によるデュオ・アルバムである。三人によるデュオとは、アルバムのA面がカイザー/近藤のデュオ、B面がカイザー/センタッツォのデュオである。近藤とセンタッツォのデュオはない。 アルバム・ジャケットの裏面に、このアルバムを若くして亡くなった音楽評論家/プロデューサーの間章(Aquirax Aida 1946年8月18日-1978年12月12日)に捧げると記されている。
余談だが、新潟市内のレコード屋で、長髪・黒服・黒メガネで、全身からオーラが出ている人がいた。(あ!この人、只者ではない!)あとで、間氏だとわかった。間氏を見たのは、これが最初で最後だった。

and other album(Andrea Centazzo)
and other album(近藤等則)

PROTOCOL(A)
HENRY KAISER, 近藤等則, ANDREA CENTAZZO
PROTOCOL(B)
HENRY KAISER, 近藤等則, ANDREA CENTAZZO
(2019/1/27)